なぜ、素直な自分になれないのか?その1

 こんにちは。minipsyです。今日もあなたの心に突き刺さる一言が書けるように頑張っていきます。

 

 今日は、自己開示を見ていこうと思います。自己開示は、カンタンにいえば「素の自分を見せること」です。これについては、よく「自己開示の返報性」といって、「自分の弱いところを見せれば相手も見せてくれるよ」っていう法則みたいなのがあるんですが、それだと単なる用語の説明になってしまってつまんないし薄っぺらいので、もっと本質的なところにまで突っ込んでいきたいと思います。

 

【1. 自己開示は、「良い」ものではない】

 自己開示、素の自分を見せることっていうのは、なんか「望ましい」みたいなニュアンスで書かれることが結構多いです。例えば、「日本人は社交辞令ばかりで本音を言わない。だからダメなんだ」みたいな。

 そして、多くの日本人がそう思っている(正確には、そう思わされている)がゆえに、「本音を言ってこうぜ!」的な書籍は売れます。清々しくて気持ちいい感じがするからですね、きっと。

 

 しかし、私たちはそこまで情報に流されやすい弱い存在なのでしょうか?少なくとも僕はそうは思いません。私たち人間は、「素直になること」を道徳的によしとしているわけではない。

 

 単純に、自分たちにとって利益になりそうならやるし、利益にならなそうなら、あるいは不利益になりそうならやらないんです。

 

 だから「本音を言った方がいい」っていうメッセージを目の当たりにした私たちは、「やっぱり本音は大事だね」っていう良心の叫びのようなものと、「結局、いま生きている状況では本音は言えないしな・・・」っていう切実な心境との板挟みにあっているんです。中には、盲目的に本音を言って周りの人たちの反感を買い、「やっぱり本音なんて言わなきゃよかったんだよ!」と行き場のない怒りを生み出してしまう場合もあります。

 自己開示には、自己呈示と類似したメカニズムが存在しています。このメカニズムを正しく理解することさえできれば、自己開示の「よさ」がわかります。自己開示は「良い」ものでもなければ、「悪い」ものでもないのです。

 

【2. 自己開示は、一方的な通知である】

 自己開示は、あなたの好みや価値観をそのまま包み隠さずに相手に打ち明けることです(あとは、家族のことや病気のことなど、話しにくいことを伝えるというのも含まれるでしょう)。ここでは、対人関係について扱っていきますので、価値観を伝えることに絞ります。

 あなたの価値観を正直に相手に伝えるとは、「相手の価値観はいったん棚に上げておく」ということです。相手のことを思いやっていると、正直に伝えるのは困難だからです。詳しくは、

 

[1] あなたが相手に価値観を提示する

   ↓

[2] 相手がそれについて意見をする

 

 という流れになります。ここで大事なのは、

 

 とりあえず聞いてくれ。

 

 なんです。これに例外はありません。長年一緒にいる友人に対しても、はじめて伝えることがあったとしたら、それはあなたからの一方的な発信となります。

 

 すると、相手はどのような行動をとるでしょうか。

 

 わかんないんです。

 

 わかんない、でも伝えたい、そういう時にするのが自己開示なんです。好きな人に告白するのもある種自己開示ですが、それも同様ですね。

 相手は僕のこと好きなんだろうかとか考えないで「えいやっ!」「どうにでもなれっ!」っていう気持ちになるのが自己開示です。

 

 もちろん、それが実を結ぶ場合もありますし、結ばない場合もあります。そして、結ぶ場合っていうのは、(1)相手も同じ価値観をもっていた、(2)価値観こそ違えど、相手にその自己開示を受け入れる器の大きさがあった場合などがあるでしょう。

 また、実を結ぶ可能性を高める(100%にはなりませんが)方法があります。それは、関係性を築くことにほかなりません。つまり、「本音言った方がいいよ」的な情報を鵜呑みにして失敗してしまうのは、

 

 関係性もできていないのに、一方的な通知をしたから

 

 にほかなりません。1年くらい友達として話してきた友達に告白するなら「感情の受け皿」のようなものがありますが、電車で一緒の車両に乗った人にいきなり「好きです!」とか言われても怖いです。

 

 あなたがもし自己開示をするとしたら、真っ先に思い浮かべるのは誰でしょうか?会ったこともない他人でもなければ、表面的な付き合いしかしていない職場・学校のひとたちではないはずです。親友とか家族とか、関係性が熟成されているひとたちに、打ち明けてみようと思うのではないでしょうか。彼らに自己開示をすれば、受け入れてもらえる確率は高まります。

 ですから、一般的に「自己開示の返報性」と呼ばれる法則も、初対面の人に対して使うテクニックとして一面的にとらえるのではなく、「元々強い関係性をさらに強める」当たり前のものだと思っておくのが無難なのかなと思います。

 

「じゃあ、親しい関係以外には自己開示する意味ないの?」

 

 いえ、あります。これについては、次回に書いていきますね。