イエスに関するエピソード。
今回は、「イエス」について述べていきます。
「イエス」は、何と言ってもキリスト教の開祖です。貧しい人や病人、虐げられた人たちのもとにおもむき、神の愛を説いたり癒やしたりしました。
いきなり宗教の話でとっつきにくい感じがしますが、実はイエスという人物、スゴ腕なんです。
イエスがガリラヤ湖(イスラエルの有名な湖)のほとりに行ったところ、大勢の群衆がいました。足の不自由な人、目の見えない人、体の不自由な人、口のきけない人、その他多くの病人を連れてきて、イエスの足元に横たえました。
そして、イエスはこの人たちに対して祈りました。
するとどうでしょう!口のきけない人が話すようになり、体の不自由な人が治り、足の不自由な人が歩き、目の見えない人が見えるようになったのです。
カリスマ的な奇跡を起こし続けたイエスに対して、当時のユダヤ人は「この人、もしかしたら神の子なんじゃない?」と言うようになり、しだいに人気が出てきました。
イスラエルの人々は、「これだけ奇跡を起こすんだから、いよいよローマをやっつけてくれんじゃないか?」と思いました。
そしてある日、「神の国はいつ来るか」とたずねられ、イエスは「神の国はみえる形では来ない、みよ、ここにとか、あそこにともいえない…」と答えました。「神の国はあなたたちの間にあるのだ」と。イエスにとって神の国とは、政治的な権力によるイスラエル国家の建設ではなく、人々が互いに愛し合う中に、神の愛が実現するという精神的な出来事だったのです。
当時の人々はこの発言にがっかりしたそうですが、ここから学び取れることは多いです。
たとえば、よく「自分探しの旅」に出かける人がいます。しかし、どんなに外国を旅し続けていても、自分などありません。
なぜなら、もうそこにいるからです。知らない外国に行くということは、むしろ本当の自分から離れることになるのです。
人生の意味を物理的に求めようとしても無理が生じてくる。それよりも、自分自身の内面に注目しなさいと、イエスは言いたかったのかもしれません。