先が見えない今を生きるために教育学者デューイから学べること
プラグマティズムの大成者デューイは、学問や知識について興味深いことを述べています。
そしてその思想は現代にも使える色あせない魅力的な内容となっています。
一般的に、思想は伝説として受け継がれたり、その思想自体に重厚感があることによって語られたりしています。
しかし、デューイの思想は枠組み自体が継承されているので、ある意味無敵です。
まずデューイは、人間の知識は道具であると述べています。これは道具主義(instrumentalism)といいます。
例えば鉛筆は、鉛筆自体に価値があるというふうに考える人はあまりいません。
鉛筆のフォルムや色合いがよほど綺麗で、飾っているだけで誰かの心を癒すのであれば別ですが、そのようなことはほとんどありません。
鉛筆は、紙の上で字が書けてはじめて鉛筆であり続けます。
デューイに言わせれば、知識も同じだというのです。
数学、歴史、物理などなど、机上の空論として勉強するのではなく、実際の現実場面で使い続けることによってはじめて知識たり得る。
つまり、知識とは仮説であり、常に証明し続けなければならないのです。
そして私たちは常に試行錯誤(trial and error)を繰り返しながら、問題解決をしていく必要があります。
ある知識が「真かどうか」は、その知識が「使えるかどうか」に他ならないのというのがデューイの考え方です。
最後に、デューイが主著『民主主義と教育』の中で述べた言葉を紹介します。
「教育は、過去の価値を伝達することではなく、未来の新たな価値を想像することである」
今に当てはめてみれば、
先が見えないなら、作ろうよってことですね。