心理学論文や人間関係的考え方を紹介!

2017.8.16~2020.8.31連続投稿(1,112日)。以降は不定期更新です。

自分は大丈夫だけど、あなたのことは心配でたまらない。

自分の家族が挑戦的なことをしたり、リスクのある行動をしようとしたりしているときに、私たちはなぜかそれを止めようとする傾向にあります。

 

人間関係的ミニマリストに近づいていくためには、大切な人との適切な距離を学ばなければならないのですが、人間はバイアスや感情に左右されやすく、それを正当化してしまうのです。

 

「あなたのための思って言っているのよ」が決め台詞です。

 

Ghassemi et al. (2020)は、重要他者(パートナーなど)がとるリスクに対する感情反応と認知的評価について研究を行っています。

 

5つの研究の結果、人は重要他者が健康や安全を脅かすリスクを伴うような行動をするときに、自分自身がそうするときよりも不安を感じていたことが示されました。

 

この差は、その他者との感情的な距離が離れているとき(知り合いなど)には現れなかったことから、不安における自己と他者との差は関係の質によって調整されることが示唆されます。

 

そしてこの「自分より重要他者がリスクを侵す際に不安を感じる」という効果は、部分的にではありますが、その個人(自分)がその他者のリスク行動の結果がネガティブなものになるという想像をしやすいかどうかによって媒介されたことも示されています。

 

このようなバイアスがあることを頭に入れておくことによって、いざ自分の大切な人がチャレンジをしようとしているときに快く応援することができるでしょう。

 

その心配は、相手にとってはときに「ありがた迷惑」、そしてときには「ただの迷惑」になることもあるのです。


【引用文献】

Ghassemi, M., Bernecker, K., & Brandstätter. (2020). “Take care, honey!”: People are more anxious about their significant others' risk behavior than about their own. Journal of Experimental Social Psychology, 86, 103879.